建設業界では、まだIT化が十分に進んでいません。
しかし、だからこそ、先に取り組む企業ほど大きな強みを手にできます。IT化を避けている場合ではないのです。
この記事では、建設業界でIT化を進めることによる具体的なメリットについて解説していきます。
人件費の削減
建設業界がIT化を進めるメリットの一つに、人件費の削減があります。
IT化を導入することで、これまで膨大な時間を要していた作業も短時間で完了できるようになる可能性があります。例えば、手計算で行っていた財務管理や、情報共有のための会議なども効率化が可能です。
こうした業務の時間短縮によって、残業の削減につながるほか、人員の最適化も実現できます。結果として、人件費を抑えられるという大きなメリットが企業に生まれるのです。
プロジェクトの横断的な把握
IT化の代表的な例として、クラウドの活用があります。
クラウドとは、データをインターネット上に保存し、社員がパソコンやスマートフォンなどさまざまな端末からアクセスできる仕組みのことです。
クラウドを活用すると、複数のプロジェクトの進捗状況を横断的に把握できるようになります。建設会社では、同時に複数のプロジェクトが進行することがよくありますが、これまでは各プロジェクトの状況を確認するために人づてで聞くしかありませんでした。
しかしクラウドを使えば、各プロジェクトごとにオンライン上の「会議室」を作り、作業の進捗を報告してもらうことができます。上長は都合の良いタイミングでクラウドにアクセスし、必要なプロジェクトの状況を確認するだけでよく、無理に時間を合わせて会議を開く必要も、移動する必要もありません。
報告のための電話やメールも不要になり、作業員は作業に集中したまま進めることができます。必要な場合だけ、滞っている作業について個別に確認すればよいのです。
このようにクラウドを導入することで、会社全体のプロジェクト状況を一目で把握でき、場合によっては人員配置の最適化なども行えます。つまり、クラウドの活用により、会社の状況を横断的に把握し、適切な判断を下すことが可能になるのです。
作業効率化
クラウドやIT化を進めることで、作業の効率化も実現できます。
先ほど説明した通り、クラウドはインターネット上に情報をアップしておけば、スマートフォンやPC、タブレットなどからいつでも状況を確認できるシステムです。
建設現場では、日々の作業を進めながら、他のプロジェクトの進捗確認や日程調整、職人の手配など、さまざまな管理業務が必要です。しかしクラウドを活用すれば、こうした確認作業の手間が減り、作業をより効率的に進められます。
さらに、資料のプリントアウトも不要になります。必要なときにスマホやタブレットで確認できるため、紙代やプリンターのコストも削減できます。図面もタブレットで確認できるため、忘れ物の心配もなくなります。
このように、クラウドやIT化は現場のストレスを減らし、作業効率を大幅に向上させることができるのです。これもIT化の大きなメリットの一つです。
従業員クオリティーオブライフの向上
IT化のメリットの一つとして、従業員のQOL(クオリティ・オブ・ライフ、生活の質)の向上が挙げられます。
従業員にとってIT化は、残業の削減や給与のアップにつながります。なぜなら、IT化により本来数時間かかっていた作業が、わずか30分で完了することも可能だからです。また、数人分の仕事を一人でこなせるようになるため、1人あたりの業務量が増え、効率的に働けます。
その結果、残業が減り、給与が増える可能性もあります。給与が上がり、残業が減った従業員は生活の質を向上させることができ、QOLの向上につながります。
さらに、従業員が働きやすくなることで会社の雰囲気も明るくなり、業績の向上にもつながる可能性があります。
利益の最大化
最後に挙げられるIT化のメリットは、会社の利益の最大化です。
作業効率が向上し、従業員のQOLも高まることで、離職が減り、一人当たりの業務量も増えます。結果として、社員一人当たりの生産性や利益も向上します。また、仕事の質も向上するため、新しい案件も獲得しやすくなります。
IT化によって業務効率を上げ、質を高めながら、場合によっては価格競争力も向上させることが可能です。無理に利益を削減せず、仕事量を増やしながら人員を最適化できるため、会社全体の利益の最大化につながるのです。
まとめ
建設業界は、まだIT化が十分に進んでいない業界です。
しかし、周りがIT化を進めていないからといって、そのまま放置してよいわけではありません。むしろ、今こそ取り組めば大きな競争力となります。
IT化を進めれば、人件費を削減できるため、同じ仕事でも利益率を高めることが可能です。また、周りよりもコストを抑えられるため、場合によっては価格を下げて仕事を獲得することもできます。価格を下げることが必ずしも利益の最大化につながるわけではありませんが、新たな取引先を作る手段の一つとして有効です。
建設業界は、ウッドショックやアイアンショック、人口減少など、今後もさまざまな厳しい状況に直面する可能性があります。そのような中で、生き残り、成長するための一つの方法が、早めのIT化です。
IT化には多くのメリットがあり、早く取り組むほど企業の未来に大きな差を生むでしょう。
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